八、囃、藏。
特徴的なこの屋号。いったいどんな願いが込められているのでしょうか。一つずつ、その意味を説明します。
「八」
八という字は日本雅楽から来ています。
日本雅楽で用いられる音階は、平調・黄鐘調・盤渉調・壱越調・双調・太食調・上無調・下無調の八種類があり、これらを総称して「八音」と言います。
さらに、日本雅楽のルーツである中国雅楽では楽器の素材は金、石、糸、竹、匏、土、革、木の八種であると考えられており、それらも同じく「八音」と呼ばれます。
つまり、音楽のルーツを大切にしたいという思いや、様々な音が奏でられる空間にしたいという思いを込めて「八」という字を使っています。
「囃」
この字はお囃子(おはやし)から取っています。古来より音楽は、神を祀るためのものとして発展した歴史があり、祭囃子のように人々の暮らしの一部として根付くような音楽が生まれました。
このスタジオも、そのように暮らしの一部になればいいなという願いがあります。
「藏」
蔵の旧字体を使って、日本の伝統構法である「板倉構法」で建てられ、分厚い土壁を施したこの建物が、古からの伝統の技の上に建てられていることを表現しています。
「人々が集って様々な楽器の音や調べが聞こえる、そんな藏に育ってほしい」という思いを込めて、「八囃藏」と命名しました。